その172002年1月16日 | その182002年3月9日 | その192002年5月23日 | その202002年7月16日 |
新年明けましておめでとうございます。 みなさん、お正月はいかがでしたか? こちらは昨年の一連のテロ事件の影響からか、今年のお正月は全く演奏の依頼もなく (予想はしていたものの、ちょっとがっくり...)、久しぶりに仕事のない静かなお正 月を迎えました。 それでも、大晦日には「自由の女神」の近くの、日本食レストランで夜10時から11時 迄の演奏の依頼がありました。 中国人オーナーの、鉄板焼がメインのお店。 鉄板焼きの鉄板に挟まれて?演奏を始めて間もなく、なんと1曲演奏する度にご丁寧 に拍手。 でも、そのうち曲の途中でも拍手? 「なんで?...」ちらっと頭を上げてみれば、その拍手は6人ほどのお客さん目の前で、 大きな海老を空中でまわし、椎茸を羽子板の羽の様に飛ばしている.......鉄板焼の シェフに向かってだった。お見事!! ちょっぴり、こっぱずかしさと悲しさが入り交じる瞬間でした。 もしかして、みなさんも同じような経験ありませんか? 一方、そのころマンハッタンのタイムズスクエアーでは、恒例の12時のカウントダウ ンの行事が行われようとしていていました。 新年のカウントダウンが終わると、たった15〜20分の間にあそこにいた何万人という 人達が一気に動きだし、(あっと言う間にいなくなるらしい)そして、お酒を飲んで とってもhappyになった人達が、あちらこちらに出没し、実はちょっと恐かったりす るんですね。 なので、帰りに地下鉄で酔っぱらいと出会わないようにと、演奏が終わったら急いで 家に戻らないと...。焦る。 (いつもこの荷物を持ってマンハッタン歩きます) それに、私も家のテレビでタイムズスクエアーのカウントダウン見たいし! 演奏後、急いで電車とタクシーを乗り継ぎ家路を急ぐ。 そして、あと少しでアパート。 とても、もの静かなそうな中国人のタクシーの運転手のおじちゃんが、一言 「Happy new yaer」 「ぐえ〜〜〜〜〜〜〜つ!] タクシーの中で、2002年新年を迎えちまった。 それも中国人のおっちゃんと一緒に...タクシーの中で.....。 家に着いたら12時08分。 なんだか負けた気分。良くわからないがとにかく負けた気分。 元旦は食べて寝て、食べて寝て一日が終わった。 アメリカのほとんどの会社は、2日から仕事が始まります。 私も2日からお稽古でした。ちゃんちゃん。 妹いわく、日本は不景気で、あまりぱっとしないお正月だったとは言っていましたが、 やっぱり日本のお正月は最高でっしょ! *短い琴! 私が92年から琴と三味線の指導をしているウエスリアン大学は、アメリカでは民族音 楽学で有名な大学のひとつです。 そんな事もあり、音楽部の一室は世界各国のあらゆる楽器が保存されています。 この楽器庫の中に、以前からその「楽器」の存在は知っていたのですが、何故か一度 もカバーをめくってみたこともなかったのです。 楽器庫には、日本の琴と姿形がとても似ている中国の琴「グーチェン」や、韓国の琴 「カヤグム」も数面保存されており、それらの楽器の隣に置いてあった同じ形をした それも、きっとどこか他の国の弦楽器の一つだろうと思い込んでいました。 だって、胴の長さが1メートルちょいしかなかったから。 (左側が短く切られていた琴) 昨年の3月に、糸締めをして貰う機会がありすべての楽器をとりまとめていた時、ふっ と!その楽器に手が触れて「あれ?これって日本の琴?」 ゆたんをひらいてみれば、見たところソプラノ琴か? こんな所に置きっぱなしにおくなんてなんともったいない! ここで私が使わなければ、他に使う人はいないんだから勝手に使わせて貰いましょう! と 大学からニューヨークへ持ち帰りました。 実はその時点では、本当にこの琴が使えるかどうかまだ半信半疑でしたが、この糸締 めのチャンスと逃すと永遠に使うことも出来ないから、取りあえずかかっていた絹糸 を外し、糸を新しくしました。 しかしその糸締めと同じ時期に、沢井一恵先生、比河流先生をニューヨークにお迎え しての演奏会があり、毎日その準備に追われていたので、その後折角糸を新しくした その琴の事を、なんと11月頃まですっかり忘れてしまっていました。 ある日、思いついたようにゆたんを外し、その琴をよく見てみると、それはどうもソ プラノ琴ではなく、普通の琴を短く切ってもう一度作り直してあるようでした。 何じゃこりゃ?と思いながら、柱を立てて弾いてみると、意外にもそこそこの音が出 るじゃありませんか? このニューヨークの狭い私の部屋に使わないで置いておくだけなんてばかばかしい話、 お稽古で使いましょっと。 それは立ててあると見るからに短いので、みんながなんだなんだと不思議に思うので すが、立奏台の上で横たわっていると、意外に誰も短い事に気づかないんですよね。 楽器、立奏台、着物等を持って、マンハッタン内をバスや地下鉄を乗りついで演奏会 場まで移動するのはかなり、イヤ!とってもきつい。 (歳と共に厳しくなったと言った方がいいのかも?) 琴もたしかに重いけど、それより絹の着物は肩にずっしりと食い込む。 時として、その日の演奏で貰える予算があまりないときは、絶対にタクシーには乗る ものか!と自分で決めたルール。必ず電車、バスを乗り継いで会場まで。訳もなく自 分で決めたルール。しかし最近はどうにも身体がついて行かずタクシーに乗る事が多 くなった。 うぅ〜〜〜〜ぅ。 先日、日本舞踊とのリハーサルで、早速この楽器を使ってみたのですが、練習が終わっ ても、誰一人として琴が短いことに気がつかない。 ラッキーって感じでしたよ。 ほんの少し短いだけで、どれほど持ち運びが楽ちんなことか。 これなら、本番以外のリハは総てこれでいけるってね! この楽器には子供の着物を潰して作ったゆたんがかかっていました。 もちろん、こんな小さい琴カバーは持っていないので、今現在持ち運びにはこれを使っ ています。 移動途中、バスや電車中では、とても可愛らしい着物柄は外国人から注目の的。 近寄って来て「これって日本の物でしょ?とっても可愛いですね」っとやたらに話か けてくる。 あんまり頻繁なのでいっその事、ゆたんに張り紙でもして「これは日本の着物生地、 中味は琴と言う楽器です!」とでも書いておこうかと思うくらいである。 これもまじめに考えていることなのですが、琴カバーに自分の演奏中の写真でも貼っ て、人々の興味をひきつけるのもここ外国ならでは?? 重いのにただ持って歩くだけでは疲れ損だし、歩くビルボード、なんて。 いつもみんなで「琴も絶対に折りたたみ式になるといいよね!」と話していたので、 この少し短いお琴を見つけたお陰で、なんだか少しhappyになった今日この頃です。 2002年も、しょっぱなから単純なことで妙に喜んでいる単細胞な私です。 ところで、琴のゆたんで思い出しましたが、ニューヨークはいまアジアブームなんで すね。 漢字の入ったTシャツなんかも大人気です。 そして年に1〜2回古着物の販売会もあるんですよ。 毎回外国人で溢れかえっています。 はっきり言って、浴衣姿を見て「オーワンダフル!ソウ キュート!ゴージャス!」 の世界です。ま〜たしかに、浴衣姿も綺麗ですけどね。 アメリカでは、頻繁に小さなpartyが家庭で行われるのですが、ホスト(ゲストをお 迎えする人)が日本人や東洋に深い興味を持っている外国人だったりすると、ゲスト はその日のホストの趣向に合わせた服、または小物を持って現れることがよくあります。 例えば着物の羽織を黒のパンツ等と組み合わせて、シックに着こなしているお洒落さ んとか。 たぶん同じ服を、日本人が着ていても、「ちょっと違う...かも」の世界なのですが、 外国人が着ていると、何故かとっても素敵なんです。 なんでかな〜!? みなさま、呉々も健康に気をつけて素晴らしい年になりますように |
その18 2002年3月9日 |
その19 2002年5月23日 |
その20 2002年7月16日 |