その272004年4月6日 |
春風こそまだ吹いていませんでしたが、比較的暖かい天候の中、3月2日から16日間、 3ヵ国4公演のヨーロッパツアーが始まりました。 今回のツアーは、パリ市内で行われました”ワールドミュージック コンサートシリー ズ”(パリ市主催)に招待され、そちらの手配で他の国にも演奏に行くことになりま した。 ベルギー、オランダ、パリ、そしてフランスの南部にある町トルースの4箇所です。 いや〜〜なんと言っても15年ぶりのパリ。 この演奏に行けない理由なんてどこにも見あたらな〜〜い。絶対行かなくっちゃね。 もう頭の中はすっかりパリ一色。実は前から、パリ行きたかったんでえすよね。 ただ行きたいだけの理由で、公演に参加したなんて言ったら顰蹙? な〜んてことない、あとで他のメンバーにも聞いてみれば、当然みんな同じ気持ちだっ たらしいですよ。その証拠にツアー最後の5日間パリ滞在は、それぞれの伴侶も来ま したもの。 さあ〜〜レッツ観光!! 今回のグループは、2002年にワシントンDCですでに演奏したことがある、アジアの弦 楽器で構成されています。 中国の琴グーチャン、韓国の琴カヤグム、日本の琴、そして韓国の太鼓チャンゴです。 今回中国琴の彼女だけが初参加でした。 ツアー出発の4日前、彼女の婚約者がカヌーの事故で亡くなるという大変な事態になっ てしまいましたが、キャンセルすることなく予定通り4人で出発しました。 中国琴奏者と私はニューヨーク在住、チャンゴ演奏家はドイツ生まれ&在住の韓国人、 カヤグム演奏家はアラスカに住むアメリカ人。 何故このようなユニークなグループが出来たかとよく聞かれますが、とっても単純な 理由なんです。 カヤグムを弾くこの彼女は、ウエスリアン大学で日本の琴を勉強し、その後ハーバー ドの大学院へ進み、以前にも留学していたことのある韓国へ再訪韓、現地でカヤグム をシリアスに習う。お琴も1日6ー7時間練習していたらしいですよ。 その数年後、同じく過去に住んでいた事がある中国へも留学し、グーチャンを勉強。 彼女は3つの楽器全部が弾けるんですね。 ハーバード大学院時代に出会ったご主人(作曲家)が、この状況を生かさぬ手はない と、 彼女から3つの楽器の特徴を密に聞き出し、それぞれどのようなテクニックが可能か を研究、作曲。 彼の曲、例えばお琴で言えば「六段」に似たフレーズが沢山取り入れられていますし、 他の楽器も同じく伝統音楽のフレーズが所々に使われているそうで、始めてトライし た曲の割には、それぞれの楽器の良さがよく生かされ、上手く組合わさっている曲だ と思います。 それにしてもみんな離ればなれなので、短い時間で2つの新しい曲の練習は、非常に 苦労しました。2月の半ば過ぎからニューヨークで練習が始まりました。 ツアーの中で2曲、4人で弾く曲がありましたが、他の1曲は今回一緒だったチャンゴ の彼の新作。これまた琴に関しては怒り爆発もん。めっちゃ難しい〜〜!! 「おい、このテンポでこんなの弾けるかぁ〜〜!!どあほ(さぁ、”どあほ”をなん と英語で言ったか...は秘密)」とか言って、ドイツまで怒鳴って電話しちゃったり しました。 優しい彼はすぐに書き直してくれたのですが、なんとそっちの方がなんだかもっと弾 きづらくなったみたい。今更それはとても言えない....。 短気は損気。わかっているけど...。反省。しかし学習能力全くなし。 勿論彼にも事前に琴の特性は説明してはありましたが、(彼はすでに17弦の曲も書い ています)実際可能かどうかを弾かない人が理解するのは、やはり大変なようですね。 以前にもお話ししましたが、琴や三味線を使った曲を書いたと、日本人も方も含め多 くの作曲家の方から楽譜が送られてきますが、将来的に演奏会の予定なく、すべての 曲を糸譜に直して弾いてみる時間は残念ながらありません。出来る限りやってはいま すけど。 でも途中で「もう、パ〜ス!」というもの多々。 きっと、ピアノやギターと同じ感覚で書いていらっしゃるのでしょうね。 「こんなの、死んでも出来へんわい」と思ってしまう私でした。 念のため、これはあくまでも私の技量の話です。 楽器を弾かない人が、可能な範囲でのテクニックを使って、ある意味心地よく弾け& 聞ける曲を作るのはとても難しい事でしょうし、そのような新しい曲を受け入れてく れるお客さんを持つことも更に難しい事だと感じています。 色々な分野の音楽家の方から”ニューヨークって、現代音楽や実験音楽なんかが、ス ムーズに受け入れられるんでしょ?”と質問されます。 私的には返事に困ってしまう訳ですが、決してニューヨークだからといって、来た人 誰にでも前衛が受け入れられているという状況ではないと思います。 これは余談ですが ”ニューヨークの人って普段のファッションも凄いんでしょ?!” とかね。これも絶対に思い込み。 はい、たしかに凄いですよ〜〜、破れていてもまだ平気で着てますから....。 どんな音楽会でも、お客さんのうちの何人がその音楽に精通しているかというのは、 定かではありませんよね。 その一例、私は日本音楽についてしか言えませんが、ニューヨークである日本人有名 演奏家による琴&尺八演奏会が行われました。 初日は伝統音楽のみ、2日目が現代音楽。 結果としてお客さんの入りのよいのは初日。会場を見渡したところ、客層は80%が外 国人。やっぱり日本人はなかなか集まらないですね。 あまりにも音楽的に高度であるような事を予期させてしまうと、一般の方は引くのか もしれない...。ちらしから内容が読みとれないものより、ある程度予想のつくもの に、人の集まる傾向があると主催担当者の言葉。 私も全く知識のない楽器&音楽会に行ったとき、内容が難しくてよく分からない、ま ず楽しくない。音楽家の端くれとして、これって情けないですかね? ひどい時には、この曲あと何分くらい続くのかと、残りの楽譜の厚さを見たりした事 ないっすか?? そんな時に自分が知っている曲が出てきたときの、あの安堵感。きっと誰でも経験が ある筈。 想像するところ、来てくださる方の多くは素人さんですから、ある程度聞く側の立場 に立って曲の選択、舞台創りが必要なんだろうと、以前にも増して思う曲この頃です。 世界中にあるマクドナルド 朝メニューには、小さいけど美味しいクロワッサンなど3つのパンとコーヒーが付い て 1.50ユーロ。(180円くらいですか?) 特に驚いたのは、フランスのマックのコーヒーはエスプレッソ。 ご存知の通り、エスプレッソは量が少ないので、ついついけちくさく”ちょびちょび” 飲んじゃいますが、(そう飲まなかったら2秒で飲み終わってしまうではないか〜〜) マックでも美味しい。アメリカでいつも飲んでいるのは一体何??って感じ。 おっと、この発言アメリカ合衆国、マクドナルドの両方に失礼ですね。 こじんまり、そしてきちんと整備された細い道を小さな車が走ります。 窓の外には季節の花を飾り、エスプレッソを片手に....。こんな所に住んでみたい。 ノートルダム寺院すぐ横のセーヌ川の畔でJassのグループ。こんな所で私も演奏して みたい....。 あ〜〜この現実とのギャップ一体どうしらいいの? |
その282004年6月30日 |
その292004年10月20日 |
左より3人目 青木彰時先生、その後藤原道山さん、その前私。 | 憧れのネプチューンさんとのツーショットで 御機嫌、うちの旦那 |