その30 2005年1月24日 |
明けましておめでとうございます。 生徒さんから「HP更新されてないですね、みんな読まなくなっちゃいますよ」と言わ れビビッてます。 昨年の秋は何度かヨーロッパへ出掛けました。 ニョーヨークでいつも一緒に活動している太鼓と尺八のマルコ. リンハードさんと共 に、彼の出身地であるスイスでの公演。 彼はその昔太鼓グループ「鬼太鼓座」に15年くらい所属していた事もあって、日本語、 英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語が話せる器用な人。 ヨーロッパの人は、語学才能にすぐれていると一般的に言われていますが彼もその一 人。何でか知らないけど、象形文字なんかもよく知っていて、私が知らないと言えば 「雅代さん学校いきましたか?」って「シャラップ!」 その時、我々のショーを見に来ていたモスクワの方が公演を気に入り、2ヶ月後の12 月にモスクワ公演が行われることに事になった。(棚からぼた餅とはこの事) 2週間のスイス公演 メンバーはニューヨークから太鼓2名、琴1、日本舞踊1、カリフォルニアとデンバー から2名の太鼓打ちが参加し合計6名。 ジュネーブから公演がスタートし、少しづつ北上しチューリッヒで終わり。 2週間で17公演。学校公演&一般公演有りで、とっても楽しかったです。 お客さん集めの為「ちんどんやさん」みたいな事もしたし....。 ![]() 写真左→チーズでカリフラワーの出来上がり 右→まさにチン問屋さんみたい? 既に日本の太鼓のグループが何度も公演を行っているので、結構琴や太鼓の事を知っ ている人が多いことには驚きました。私は太鼓の中では、一番簡単な地太鼓と鐘の担 当。でも鐘って見た目は地味なんですけど、「四助」といって全員のリズムを刻む大 変な役割。 太鼓はフォームを覚えないと様にならないっていうんで「1兎追うものは2兎追えず」 になってもいけなから、残りは鐘しかチョイスがない。 そもそも太鼓を始めたきっかけは、マルコさんのグループで急に欠員が出た為、その 日その現場で頼まれたのがきっかけ。 生まれて一度も太鼓なんて叩いた事なかったこの私に「自分についてくればいいからっ て」 あれから早4年、やはり簡単な太鼓も叩く運命となったが、どの曲もちゃんと覚えた。 いまひとつ技術が伴なってないだけ。在籍年数だけは誰よりも長い。 ”あたまでっかち”状態、イエ〜〜イ!! さて肝心の琴は? 太鼓の曲と曲の間に琴&尺八の合奏曲、もしくは現代曲を入れています。 あの太鼓の響きの途中で、お琴がどのようにお客さんに聞こえているのかとはじめは とても心配でしたが、逆に静まりかえった会場に響く太鼓とはタイプの違う音は、聴 衆にはかえって新鮮に映るようです。会場の隅々まで響きわたる音で弾きたいです。 17公演のうちでも、静かな街(田舎という意味ではなく)での公演は、平均してお客 さんの反応も微妙に控えめだった様な気がする。もしかして私達受け入れられていな い?と演奏中不安に陥ったりするのですが、一方ロビーではCDが飛ぶ様に売れていた りします。単にお上品なのかな〜? スイスと言えばなんと言っても乳製品が美味しい国。(私は常に食べることが中心) 一度本場のチーズを食べてみたかった。今まで見たことないような変わったチーズを 食べめっちゃ大満足。削るとカリフラワーの形になる。みなさんも食べたことありま すか?どこのレストランででも、みんなの分までせっせと削ってメンバーに喜ばれた のである。 フランスコンサート ![]() 幻想的な会場に大満足の私達 数年前から活動している中国琴のグーチャン、韓国琴のカヤグム、そして日本の琴、 韓国の太鼓(チャンゴ)のグループ公演。 昨年3月の私達のパリ公演を見に来ていた、フランスの南に位置するグルノーブルと いう街でのフェスティバルをオーガナイズしてる方が呼んでくれた。 このグループメンバーはアラスカ、ボストン、ベルリン、ニューヨーク在住。 近場で適当なメンバーが見つからず、練習は本番前の数日間だけ。で、いつもリハは 地獄。 おまけに今回は、サンクスギビングといってアメリカで一番大きい休日と出発日が重 なり空の便も大混乱。4人中2人の荷物(楽器も)が行方不明、1人は現地に到着せず。 もうどうにでもなれ状態。 私達も国際線なのに交通渋滞で空港に搭乗20分前に到着、ドア閉まる寸前に飛び乗っ た私と主人だけがなぜか無事到着。誰もいなかったので練習もできず、しめしめと買 い物に出掛けたのでした。 山の上に建つ美術館内でのコンサート。音響もとても良く2回公演でお陰様で満席。 いつも会う度に中国のグーチャンをちょっと弾かせて貰うのですが、糸はメタル、糸 と糸の感覚が狭くたぶん琴より弾きやすい。さわっただけでもの凄い勢いで響くので、 いつもの調子で弾くとうるさくて大変。 琴のテクニックにもありますが、左手4本(小指を除く)薬、中、ひと差し、親指の 順で同じ音を何度も繰り返しますよね。彼らはマシーンの様に均等にとても綺麗に弾 くのです。糸の張りが弱いこともあり琴よりも多少楽なのかもしれません。 生徒さんの中に中国系アメリカ人が数人おり、グーチャンを弾いていた子がいるの ですが、決まって彼らのその技には目を見張るものがあります。トレモロも多少弾き 方は違うみたいですが、琴のトレモロもとても綺麗に弾いています。 うちの生徒に”先にグーチャンを弾けば良かった”と笑えない冗談を言われる始末! しかしフランスって良いところですね。人当たりは良いし、食べ物は美味しいし次住 むなら絶対フランスよね。 ロシア モスクワ公演 ![]() 太鼓座のみんなとレッドスクエアー観光 自分が一生のうちに行くなんて考えた事もなかったロシア。ロシア語全く分からない。 行きの飛行機の中で”スパシーバ”(有り難う)だけ繰り返し練習。 何度か使ってみたが、たぶん通じてなかったかも? 空港に到着して入国を待つ間、旧ソビエトの名残、軍事色の強さを感じずにはいられ ない。ちゃんとビザはあるけど、入国出来ないと言われやしないかとみんな緊張の趣。 審査官に笑顔でハロ〜、無視。まあ無事通過。 ロシアってどのくらい寒いのだろうと心配しましたが、思ったより寒くなく到着した ら先週降ったという雪が山盛り残っていた。こりゃまたラッキィー! その晩聞いたのですが、冬に数回-40度くらいになる日があるという。そんな日は仕 事にも行かず家でゆっくりするんですと笑顔で話してくれました。-40度って??バ ナナで釘が打てますのコマーシャルそのままではないか!!笑って話せるトピックじゃ ないだろうに。 会場はボリショイサーカスの円形舞台、客席数2000席。こんなに人来るの?と思っ たが、初日はほぼ満席で2日目も70%の客入り。天井の高さが50メートルもあったの で、勿論太鼓にも琴にもマイクを入れたのですが、反響音がおおすぎた事とマイク加 減がいまひとつだったこともあって、残響音に苦しめられ、今までに経験したことの ない困難な演奏となってしまいました。係りの方に言葉の問題で上手く伝わらなかっ た様でした。ちょっと残念だった。 約10年程前からモスクワ音楽学院で琴の指導に当たっている沢井箏曲院の方がいらっ しゃいます。モスクワ音楽学院といえばエリート中のエリート音楽家が集まる学校。 その指導者の方とお電話でお話ししたのですが、鳥のようにや八重衣を弾く子もいる らしい。凄いですよね!! 冬は一日中日が照らないし朝から空はグレー色で結構寒い。地下鉄は昭和初期に使わ れていたような機種ばかり。でもめっちゃ早く走る。モスクワ市内の中級クラスのホ テルに泊まったが、エレバーターはかなり古ぼけたつり上げ式。何を見てもローテッ クの街にしか見えない。あと個人的な印象ですが、人々があまり笑わないかも。寒い ので必要上に身体の筋肉を使いたくないのではないかという事で、みんなの意見がま とまった。 全体的に若い女性は可愛らしい感じの子が多く、日本人メンバーで彼女なしのまさ君 は滞在中とてもハッピーだったようだ。毎日目が疲れるって言っていた。(女の子を 目で追いかけるに大忙し) ![]() 左→ボッカ飲んで全く記憶がない?! 右→ボリショイサーカスの円形舞台 凄かったのは、みんなが揃って毛皮のロングコートを着ていること。安いと評判のフ リーマーケットに行ったのですが、オシャレな毛皮や皮のコートが地面にも山積み。 たぶん日本のデパートの10分の1くらいの値段だろうと思う。当然ですが現金でしか 買えず、欲しい物があったけど泣く泣くあきらめる。 でもボリショイオペラも見たし、レッドスクエアーやクレムリン宮殿にも行けたし、 生まれて始めてボッカ飲んで、意識がなくなるくらいよっぱらったし。余は満足じゃ 〜 また2005年5月と11月にロシア演奏あるらしい。しぃ〜〜ん....。 みんなで大笑いしたこと 欧州の人って平均して身の高い人が多いですよね。マルコさんも188センチくらいあ るし。男性に限らず女性も大きい方が多くそんな人達に囲まれていると、私の様 な152センチのおちびちゃんは”小動物、はたまた微生物”扱い???大きいのが良 い訳じゃないけど... 写真の彼198センチだそうです。こんな人がゴロゴロいる。 ![]() 大きなお兄ちゃん、隣の自分が微生物に見えたりする...。 今年のニューヨークは寒い日と暖かい日の差が激しいみたいです。日によって手袋な くても大丈夫だったり。けれど寒いといきなり-13度とか。うちの近所のお肉屋さん は、店全体が既に冷蔵庫になっていてそこでお肉を売っているのですが、外が-13度 の日って、冷蔵庫の中の方が暖かかったりするんです(苦笑) ああ〜〜春の来るのが待ち遠しい 3月にはブラジルでのコンサート、4月には沢井一恵先生をお迎えして、生徒35名と一 緒にニューヨーク、ワシントンDC近辺で4か所でのコンサートを予定しています。 ただいま猛練習中。 |
その31 2005年3月9日 |
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