その38 2006年11月14日 |
子供が産まれて、はや4ヶ月半になります。 毎日が恐ろしく早く過ぎていき、おむつ換え、ミルク、抱っこ、洗濯、掃除、食事 の準備。 親の食事の時間になると匂いでわかるのか?決まって彼が目を覚ます。 寝ているうち&暖かいうちに食べてしまおうと思っているものは全てよ〜〜く冷え、 ラーメンに至っては軽く倍に増えている…。とても早食いになった思う。 普通に仕事していたときの方がまだ時間があったかもしれないな〜あ。 この数年、何も用事や仕事がない日ってのが殆どなかったから、ダラダラ過ごすのって 実は結構楽しい..。 赤ちゃってお腹が減ったら泣くのは知っていたが、ミルクもそんな にすぐ温まる訳 ではない。温めるその2分が待てないらしく、ビル中に聞こえるような声で泣いてくれる。 思わず口にガーゼをかぶせてしまう。虐待?? ご近所さんは、私がいじめていると思っていると思う。アメリカでは結構冗談になら ない。 生徒さんが一日も早いお稽古の再開を待っていてくださるので、そろそろ再開しなく ては。勿論自分のキャリアの為にも。 必死で子供を預かってくれる所(人)を探しました。 週5日預けた場合月額約2000ドル(日本円で約22万円)!!場所によっては2500ドルに 近い。が、さすがアメリカ、働く母を助ける(低所得者に限る)システムもあって そこでは所得金額に応じて保育料を支払う。日本の保育所と同じかな?申 請が通ると、 ニューヨーク市と契約しているシッターさんが週5日間午前8時〜午後6時で面倒をみて くれて(生後6週間から)、本人負担はなんと1日約30ドル程度。これならなんとか なりそう! 世の中捨てる神ありゃ拾う神有りじゃ〜〜っとウキウキで申請してみたが、幸か不幸 か?夫婦での所得計算のため、応募資格がなかった。 シッターのリストはインターネットでも名前等が公開されているので、個人的に数人 のベビーシッターさんと会ってみました。プライベートでも預かってもらえるとのこと なので、悩んだ結果推定年齢55才くらいでスペイン語しか話さない、めっちゃ恰幅の いいお母ちゃんタイプの方に見て頂くことに。 聞けばこの道26年だとか。たしかに赤ちゃんの扱いが慣れてそう。殆ど英語を話さな い(話せない)ので、お嬢さんが英語で通訳してくれる。それは私にとって、通訳に なっているようなないような? いままでアメリカに来てずーっと走り続けて来た感があるので、子供を持ったのを機 に少しは家族との時間も持ちたいから、お稽古は週に2〜3日程度に。 同じ沢井琴曲院から私よりも8年早くオーストラリアに行き、今から6年前に子供を 持った先輩の小田村さつきさんが電話で何度も言っていたな。「まーちゃん、いまのう ちにべたべた触りまくって、しっかりとなめてまわしておきなよ!」って。 お子さんがすでに成人したある方がぼそっと。我が息子、家にいるなっと思えば決 まって食事時。 小さな手で、私の指を握り腕の中でミルクを飲んでくれる時期なんてあっという間に 終わってしまうらしい。 このままずーっと赤ちゃんだったらいいのに….と思ってしまう、見事な親ばかちゃん でございます。 話を戻しますが、日本でも子供を預かってもらうとこんな金額なのだろうか? 一体これはどうしたものか。 働いた給料の殆どが、目の前を素通りしてシッターさんへの支払いになるのだと よく聞いていましたけど、ついに自分の番が来ました。 預かってもらうのも誰でもよい訳ではなく、人種、人柄も大きく関 係してきます。 やはり出来ることならば、日本人の方に見て頂けたらと思うのです が、なかなか条件 が揃い、0才児を見てくれるところ(人)はいないに等しいのが現状で。 親の都合で子供を預ける身勝手さに心が痛む。なんだかんだと悩み はつきない。 子供を持って仕事を続けている世の中のお母さん(勿論お父さんも)に敬意。 東京フィエスタ 左:アメリカ人が尺八吹いている〜と日本人に騒がれる二人 中:本格的な踊りの衣装って初めて見たな 東京都主催のイベントに参加するため、はじめて息子を生徒さんの お宅で1日預かって いただいたのですが、演奏のための準備と預けるための準備でわ たくしは夜中までてん やわんや。 朝は主人が抱っこ紐で連れて行ってくれましたが、朝はかなり寒く、着ているものだけ でぼこぼこ。親子してだるま状態。 赤ん坊にとって、車のないニューヨークの冬はなかなか厳しい。 このイベント、東京へ観光客を勧誘するのが目的。 すだれ作りの実演、提灯作りの職人が実演をやっていた。日本人の私たちでさえもあ まり見たことないかもしれない珍しい催しものがいろいろ。 日本人でも珍しい伝統工芸? 琴と尺八の演奏は、特設舞台で30分の演奏を9回×2日間。 イベントは街のどまんなかにあるグランドセントラル駅の構内。電車で郊外からマン ハッタンに入ってくる人の数は連日数万人に及ぶ。 ほっておいても自然に人が通り、みな立ち止まる場所。 とにかく大きなスペースなので、琴と尺八だけではお祭り的なイベントとしてはなん だかもの寂しいので、動く人がいた方が良いのではと日本舞踊の方にも入ってもらった。 そこそこに大きい舞台ではあったが、踊りが入るたびに楽器、椅子、マイクなどをすべて 移動し、終わったらまた元に戻して次の曲の調弦。もう舞台上はぐちゃぐちゃで休憩の30 分なんてないに等しい。 おまけに大変な理由の一つに、いま使っている立箏台が問題ですね。H型を使えばせめて 舞台上での移動は楽なのでしょうが、みんな自宅から地下鉄やバスでの移動なので、琴ケ ースの中に長板を入れ、着物を担いで長く歩くのはさすがの私でさえかなりキツい。 持ったすぐ一瞬はあまり重くなく感じるのですが、あ〜〜だめだ、やっぱり地面にめり込 むぅ〜〜! 演奏曲目は、バラエティーを重視し選んだのはいいが全部調弦が違う。現代曲だけ選んで 弾いているのに、中には予想外に受けの悪い曲もある。 ふ〜〜ん?そんな曲はあえて入れる必要はないじゃん、みんなの意見も聞いて気乗りしな い曲は外すことに。 曲数を減らすことで、転調の数が減りとっても楽になった。いろんな段取りが着いた初日 の午後、すでに私の頭の中は “グルングルン“していた。 1日目が終わって家に帰ると、息子をだっこする元気もない。 体力には自信があったがかなり疲れている。母親なのだから、仕事も子供の事もちゃんと しないといけないと気は焦るばかり。が、足取りはフラフラ。 明日に響いてはと、お風呂にも入らず子供の顔だけ見、後はだんなにお任せしてとっとと 寝る。 翌朝 イヤな予感が的中。持病の偏頭痛、頭ガンガン、そんな時は決まって激しい吐き気に襲わ れる。起きるなりまず吐く。朝7時半集合。極めつけ外はドシャブリの大雨。あ〜〜できる ことなら休みたい。贅沢にタクシーで会場へ。 会場に着いたときは、顔が真っ白だったらしく、みんなが休んでいていいと言ってくれる。 その後も吐き気が収まらず、午前中は全くダメ。トイレで吐いていたら、青い着物の人が 吐いているけどあれ誰?って噂がまわっていた。 アメリカのトイレはストール(個室)のドアの下があいているので誰が中にいるか見え ちゃうのです。ちょっと恥ずかしい日でした。 その間に生徒さん達が機転を利かし協力しあい、舞台の準備をどんどん進めてくれる。 経験者がまだ不慣れな新人さんに指示を出し順調に進んでいるようだ。私はそんな生徒達 が誇らしいかったし、とてもとっても頼もしい光景だった。 左: 街中に張ってあったポスター 右: 3Dを見ていたらそのままの姿で写真取らせてって。めがねなしの顔に何か問題でも? 大雨にもかかわらず、駅の構内だけあってかなりの人。 偶然通りかかったとはいえ、演奏を聴いてくれる人がいるってことは、演奏者にやる気を 起こさせてくれる。 とんちんかんなアメリカ人が「ニーハオマー」とか言ってくる。 もういちいち説明するのも面倒なので「ニーハオマー」と返事しておく。そういえば 「アニョハセヨ」とも言われたわ(韓国語)。まあ、彼らにとって は日本も中国も韓国も 一緒なのでしょうか? 私だって、決して世界のこと良く知っている訳ではないので、彼らのことを責められない ことを悟った今日この頃です。 さあ、今月からお稽古の再開です。産後の何もしなくてよかった日よ、さようなら。 また気合いを入れていままで以上に頑張りま〜す。 ハロウィーン 左:有名レストランの店員までが...! 中:大きな手が可愛いですね 右:帰りのバスの中 たぶん親子だと思う 先月の終わりに、マンハッタンで恒例のハロウィーンパレードがあった。息子にも見せて あげたいと(まだ何を見ても分からないけど)行ってきました。 凄い人、人、ひと。 毎年目を見張るユニークな変装ぶり。そしてみんな明るい人達ばかり。 左:ちょとお兄さん(イヤお姉さん?)大事なうちの坊やには何もしないでえ〜〜〜 右 恐ろしく陽気なおじさん(イヤおばさん?) 「あら〜〜可愛い坊やねえ、一緒に写真取ってあげるわよ」って......。 嬉しいけど、あなた様は男子ですよね??? |
その39 2007年4月19日 |
その40 2007年8月23日 |