10月に入って急に忙しくなって来ました。このまま来春へ突入か?
夜が明ける頃起きて、まずは部屋中に散らかるおもちゃを片づけ、朝飯作って、主人の弁当作って
(毎日ではないけれど)、夕食の下ごしらえして、お風呂入って、息子を預ける準備して、お子を起
こして、挙げ句の果てに行きたくないと大泣きされ....。
息子を預けた帰り道、10時半にランチのおにぎりを2つ食べ、11時から夜8時まで休みなくお稽古。
3時頃にはお腹が減ってどうしようもない。こんな平和…また地獄の日々が相変わらず続いておりま
す。
ニューヨークでお稽古場を開いて今年で11年目になりますが、なかなか生徒さん同士の交流の機会が
ないこと、また本番があったほうが練習に身が入るということで勉強会をすることになりました。
なにせ初めてのことで、はじめは勉強会ってなに?
最初だし10人も参加してもらえれば十分だと思って希望者を募ったところ、43人中半分以上の人が参加。
先月仕事の関係でコロラドに引っ越した人も、飛行機に乗り泊まりがけで参加。
当日は秋晴れ、完璧に準備された中、会が始まった。
「先生は裏方仕事は一切はせず、音楽に関わることだけに集中して下さい!」といわれ。
日頃からちょろちょろすることに慣れているから(好きだから?)椅子に座ってじっとしているのは
苦痛?動きまわっていたら怒られた。
陶器会社を経営されている生徒さんの事務所を(楽器の輸入から、リハーサル、出稽古の場所提供、
とにかくなにもかも一気に引き受けて下さっています)お借りして演奏会をしました。彼女とご主人
様で舞台を作って下さいました。ライトもあって舞台のまわりには一面屏風が並べられていました。
うちの生徒さんは、大勢で弾く機会は結構多いのですが、少人数での演奏は殆ど経験がなく、人前で
はじめてソロを演奏した人も多かったのですが、どの曲も完成度が高いことに感心しました。曲に対
する姿勢が音となって表現され、心打たれる演奏が続きました。
音楽を演奏するにあたり、なにが一番大切なのか、参加したメンバーそれぞれに自分の演奏、他人の
演奏を通じて何かを感じ取ったと思います。本当に意味のある楽しい一日でした。
写真 12才 三味線ってお琴よりも難しい???!!
今回も勿論そうですが、いつもすべての準備&雑用を一気に引き受けてくれる生徒さんがいます。
日系の会社にお勤めですが、ぬぁんと!!年末には勤め先の社長さんから、彼女宛にお歳暮が届くら
しい。そのくらい仕事ができる。
それをいいことに、このところ彼女になんでもお任せしている。更に彼女のご主人は、いつも舞台進
行責任者として、わざわざ単身赴任先のクリーブランドから車で8時間かけて駆けつけてくださるご
一家。ただただ「感謝」。
Music from Japan
「Music from Japan」と題したコンサートをニューヨークとワシントンDCのスミソニアン博物館で行
ないました。
日本人の作曲家による作品を集めた演奏会で、琴、ピアノ、チェロ、バイオリンの構成。
宮城道雄 「春の海」を琴とバイオリン、沢井忠夫 「風の歌」を琴とチェロ、石井真木の「残照の
時」をバイオリンと琴で。
写真 演奏会で
他には黛俊郎氏の「bunraku」チェロソロ、山田耕筰の「七つの詩」ピアノソロ、武光徹のトリオ、
佐藤聡明氏の作品です。
ピアニストはケンタッキーに住んでいることもあり、リハーサルが難しい。全員が一緒に弾ける曲が
なかったのが残念でした。
原田さんと
今年もまたシンガーソングライターの原田真二さんとご一緒させて頂く機会がありました。
ここ数年、ニューヨークで行われている長崎原爆のセレモニーや、9.1テロの追悼のイベントなどに
も多く参加されています。
今回はニューヨークにある仏教会の本堂の修復基金を募る為のparty で原田さんがフューチャーされ、
その中で数曲ご一緒しました。
演奏当日までお互いに時間がなく、本番数時間前に少しだけ一緒に弾いてみる程度。事前に音源を頂
いていたのでなんとかなったものの、かなり危ない橋渡っています…。
彼のヒット曲Candyが、生で聴けてとても感動。懐かしかった。
ご本人にいわく、いまではすっかり少なくなった“シンジ?”のかけ声を、みんなで練習してから入
れてみるなど、笑いの絶えない1時間半。
写真 原田さんとは今年で3回目ご一緒させていただいています。
彼のshowを見ていて思ったのですが、とにかく頭の回転がよくないとできないんだなって。
その場でその日のお客さんの雰囲気を感じ取り、洒落の利いたお客さんとの会話のキャッチボール。
う??ん、流石です。
イベントの後、ペニンシュラホテル(名前ほどたいしたことないと思ってしまった…)の最上階で軽
い食事をし、関係者だけが仏教会に戻って打ち上げの2次会。
原田さんが率先して日本から持って来たインスタントラーメンを手早く作って下さり、ワインと梅酒
で朝方まで盛り上がる。
原田さん親子も翌日朝に帰国だし、私は朝7時半に家を出て郊外で出稽古、そのままイベントでの演
奏のため1泊泊まりでサウスキャロライナへ行かないといけない。夜中に家に戻って、翌日の主人と
玲の夕食を作る。
飛行機では爆睡。一緒に行った尺八の人が驚く。なんでそんなに寝られるの?って。が、その時点で
は説明する元気さえない。
愛する息子よ、どうかママを忘れないでおくれ!!
たけさん(旦那)大変申し訳ない…。息子玲をよろしく。
苦手なトーク
ここ数年、毎年ジュリアード音楽院で琴と三味線の1時間の講義を頼まれています。
とにかく何がいやって、下手な英語で話をするのがつらい。何年経っても苦手なものは苦手。苦手と
いうことは、日本語でもだめということなんですが。
なので、その焦りが出てしまって、内容がいつも受け狙い的な講義になる。下手な英語か、はたまた
道を外れた馬鹿な話が受けているのかはわからないけど、まあうけているようなのでそれはそれでよ
し。こんな調子で毎年全く成長がない。困ったことです。呼んでくれる教授は内心呆れていることで
しょう。
ミンクを?
男性のアメリカ人の生徒さんで、病院の薬局に勤めている人がいる。
御実家が毛皮屋で、家にはあまり着ることはないが、沢山(毛皮)を持っていると聞いていた。
ある日これを着物の袖につけてみようと思っていると、実家に転がっていた縫製前の細長いミンクを
持ってきた。
着物の袖にミンク?凄い発想だが、ここは外国、もち何でも有り。
紙袋に一杯入っていたので、これ全部ミンク?沢山ありますね…と言ったら一つあげるって。これ丁
度琴に挟んでおくのにいいからタオルのかわりにしなさいって。ミンクをですか??もったいないと
思うのは、私だけでしょうか?
写真 琴にミンクですか?ちょっと贅沢しょ。
彼は今年の桜祭りの時に、日本最大手の真珠会社に自分の袴を送り、約360個の真珠を袴の柄に合わ
せて縫いつけた。一つくらい落ちるかも?とザルを持って彼の後ろをついてまわったが、黒真珠はひ
とつも落ちてはこなかった。
一度着たものは2度着ないという。袴に縫いつけられたその真珠がどうなるか、私は気になって仕方
がない(笑)。
2才になった息子玲は、本当に手がかかって大変。
お稽古の日は預けているので、それ以外の日はせめて一緒にと思うのですが、一緒にいると実は1日
中何もできない。ということは、自分の仕事をするときはないということですよね。息子は夜寝るの
が11時半から1時の間。
寝るのが遅いので流石に夜中は起きないけど、朝起きるなりもうべったりで。
昼寝をしてくれている時間だけが私の時間です。昼寝が夕方5時とか6時から。で、いつ起きるか分
からないから、もう焦ってしまい、やることは山のようにあるのですが、何から手をつけたら良いの
か。鉛筆もったまま、洗濯物干したり、おにぎり作りかけで掃除機かけたり。
他人が見たらちょっとこの人まずい?と思うでしょう、きっと。
写真 めがね大好き ミニカーの炒め物? 最近お気に入りのポーズ
おしゃみせん?
言葉を話し始めるのが少し遅く、お医者さんからももしかしたら言葉の教室へいく事になるかもしれ
ないねと言われて、当時新米ママは心配でたまらなかったのですが、一端言葉が出始めたら、止まる
ことを知らない。それまでたまっていたのが溢れ出しているとか、よくあることらしいです。
たぶんシッターさんがよく言っているのでしょうね。毎日「Oh my God」の連続。この言葉の使い方、
ちゃんとあっているところが凄いと思う。
寝ている時はたしかに天使(良く言ったものですね)。
目が覚めて一端目が合ってもまずは無視。もしかしたらもう一度寝るかもしれないから。
だめだ、寝ない。無視を続けていると最近はよく「ママ、ここにこないかな??」というようになっ
た。言われたら行くしかない。
ある日、息子が寝ているうちにどうしても見ておきたい地唄三味線のvideoがあったので見ていたら、
何故かすぐに起きてきて“ ママ、これおしゃみせん?というので”そうだよ“という会話があった。
そして彼はその音楽で踊っている。妙な奴。この子、もしかしたらリズムオンチかもしれない。
タイムズスクエアーの辺りで、肩からギターを掛けている人を見つけて“あ!ママしゃみせん”と大
きな声で言った。またまたご冗談を….といわれそうですが、その若い人ちゃん、偶然にもなんと日
本人だった。
「え!三味線知ってるんすかぁ。す~っごいですね」って。
ニューヨークでギターを三味線をいうのはうちの息子くらいでしょう。コンピュターのデスクトップ
にもギターのアイコンがあるのですが、それも“あ?おしゃみせん”といいますし、料理用のフライ
返しの事を“撥”だと言ってききません(苦笑)。
最近こちらでもNHKの朝の連続テレビ小説”だんだん“が流れていますが、画面に大きな三味線が
出てくるんですよね。音楽が始まっただけでもう大興奮。
毎朝“ママ??ママ??電車さんとお三味線だぁ”。
最近白髪が1本から2本に増えて、老眼が始まっていることに気づいてしまった私。自然現象だから
しかたがないけど、なんか落ち込む..。確実に年を取っているんだと。
来週にはサンディエゴで、現地のオーケストラと一緒に沢井先生の“鳥のように“を3ヶ所で演奏し
ます。
サンディエゴでの滞在期間が長いので、日本から母に来てもらって息子を見てもらう事に。
金銭的に結構大がかりなイベントとなってしまいましたが…。その後12月は家族で帰国。
待ちに待ったバケーションまであと少し!!が、今年は航空運賃が高い。
一昔前と比べたら倍近くなっている。おまけに息子も大人料金と200ドル程度しか違わない。
それまでは呑気に白髪の数を数えている時間なんてない。
前進あるのみ。が、やっぱり「その日暮らし」からは抜け出せない。 |